
アンダルシアの州都でもあるセビーリャは、人口約70万人を抱えるスペイン第4の都市。ビゼーのオペラ『カルメン』のほか、『セビリアの理髪師』『フィガロの結婚』などの舞台となったことでも有名。セビーリャの街を北から南へ縦断するグアダルキビール川の恩恵を受け、はるか昔から海上貿易の重要な拠点として栄えてきた。
セビーリャの街の起源は、紀元前8〜9世紀頃に築かれた都市、ヒスパリスまでさかのぼる。その後、紀元前207年にはローマ人によってイタリカが建設され、以後7世紀にわたりローマ人の西地中海支配の拠点となる。街は大いに繁栄し、ローマ帝国最大ともいわれる2万5000人収容の円形劇場などが建造された。この遺跡は現在でも、セビーリャ郊外にあるサンティポンセの街で見ることができる。そして、712年から1248年までイスラムの支配下におかれたセビーリャは、他の街と同様、その影響を強く受けた。経済的にも発展し、現在見られるヒラルダの塔や黄金の塔が建てられた。
街が大きな転機を迎えたのは、1492年のコロンブスによる新大陸の発見以降。大航海時代が始まると、セビーリャはスペインの植民地、インディアス(現在のラテンアメリカ諸国)との交易権を独占。そこから巨万の富を生み出す重要な都市となる。17世紀に入ると芸術活動も花開き、ベラスケスやムリーリョ、スルバランなどセビーリャ派と呼ばれる画家が活躍し、多くの作品を残した。
また、セビーリャはスペインを代表する文化、フラメンコと闘牛の本場。セビーリャ派と呼ばれる闘牛界の名門が誕生したのもこの地だ。闘牛シーズンともなると闘牛場は観衆で埋め尽くされ、人々はマタドールの妙技に熱中する。また、フラメンコの一種であるセビジャーナスもこの地方で生まれた民族舞踊。特に4月に開催される春祭りの期間中は、街のいたるところでセビジャーナスを踊っている人々を目にすることができる。
セビーリャのおもな見どころはグアダルキビール川の東側に広がる旧市街に点在。カテドラル、アルカサル、インディアス古文書館は世界遺産にも登録されているので、ぜひ見ておきたい。アルカサルからサン・フェルナンド通りを挟んだ南側にセビーリャ大学、さらに5分ほど歩くとスペイン広場がある。また、アルカサルの北側に広がるサンタ・クルス街は、路地にみやげ物屋やカフェが並び、のんびり散策を楽しむのにぴったり。サンタ・クルス街から目抜き通りのシエルペス通りに抜ければ、セビーリャ美術館も近い。帰りは川沿いを南下してマエストランサ闘牛場や黄金の塔を通り、中心部に戻ろう。

イスラム支配下におかれていた8〜15世紀、アンダルシア各地でイスラム文化が栄えた。特に10世紀のコルドバはその中心都市として栄華を極め、多くの知識人を輩出。アンダルシア各地には往時の面影を残す建造物や住宅が多く見られる。また近年は、マラガ出身の画家ピカソやグラナダ出身の詩人ガルシア・ロルカが世界にその名を馳せた。
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